竜三は言った。しかし
名作と言われるテレビドラマ「おしん」では、主人公のおしんの夫・竜三は東京でまずまず商売を成功させていたが、関東大震災にあい、廃業して佐賀の実家におしんと共に転がり込んだのであった。しかし、隆三は長男ではない。居候で惨めな扱いをうけ、おしんは姑にもいじめられる。もう一度、町に出ようというおしんに対して、竜三は言うのだった。
「おれは、もう商売は懲りごりたい。どんなに苦労してたたき上げたって、(震災)一晩で丸裸になってしまうことだってある。むなしかもんたい。つくづく身にしみたけん」「おれはおれの土地をもつさ。土地はどんなことがあったって消えやせん。火事があろうと、地震があろうと、残るんだ。土地だけは、人を裏切ったりせん」そういって、有明海の干拓事業に参加しようとするのである。
ところが、どうだ。21世紀になって、土地は地震であえなく失われることが、実証されたではないか。そう、東北関東大震災で。
私が言いたいのは、原発の影響ではない。津波でいとも簡単にさらわれ、地盤は沈下して海岸線は変わった(もちろん、原発の人災でもって県1つに匹敵する土地が失われたも同然だがそれはまた別の話だ)。
2011.5.29(日)